翻刻!江戸の医療と養生

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広益秘事大全 3巻. [5] - 翻刻

広益秘事大全 3巻. [5] - ページ 8

ページ: 8

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【右丁頭書】 ○春菊(しゆんきく) 香気(かうき)ありて上品也 汁は吸口(すひくち)なくてもよしひたしもの ごま醬油(しやうゆ)通例(つうれい)なり冬(ふゆ)のころ鳥(てう) 獣(じう)の肉(にく)にあしらひて悪臭(あしきか)をけし はなはだ雅味(がみ)あり平(ひら)にしてもよし ○夏葱(なつねぶか) 冬(ふゆ)の葱(ねぶか)と同しけれども 夏はいさゝか風味(ふうみ)劣(おと)りて下品也 汁に入てよし酢(す)みそにて酒の肴(さかな) にするもよし ○茄子(なすび) あつく切て赤(あか)えひに あはせ赤(あか)みその汁にするよし或は鴫(しぎ) やきとて油(あぶら)を引て砂糖(さたう)みそのでん がくにするも通例(つうれい)なり汁にしては からし唐(たう)がらしごまなどの吸口(すひくち)よし 風呂(ふろ)ふきあんかけもよし油煮(あぶらに)は 大根(だいこん)おろしをかけてくふなり又 ゆでゝ白(しら)あへごまあへにしても酢(す)みそ 【左丁頭書】 あへにしたるもよし又きざみて ざつとゆでひたし物にするもよし 灰(はひ)にほり埋(うづ)みて焼(やき)たるは此物(このもの)第一 の味(あぢ)なれども客前(きやくまへ)へは出しがたき か此外/色々(いろ〳〵)つかひ方/多(おほ)く殊(こと)に 香物(かうもの)にして風韻(ふうゐん)あるもの也 ○胡瓜(きうり) はもの皮(かは)鱠(なます)にして 大によし紫蘇漬(しそづけ)もみうり などもよし油(あぶら)にて揚(あげ)たるも随(ずゐ) 分(ぶん)珍(めづら)ら【「ら」ふりがなと重複】しはしりの内は殊(こと)に 賞翫(しやうくわん)してものゝあしらひにつかふ也 ○越瓜(しろうり) なます胡瓜(きうり)に同じ 煮(に)て平(ひら)にすれども冬瓜(かもうり)には劣(おと)れり 奈良漬(ならづけ)の香物(かうもの)を第一とすべし ○冬瓜(かもうり) うすく細(ほそ)く切(きり)て汁(しる)とし すりごまからしなどの吸口(すひくち)よし平(ひら)には 風呂(ふろ)ふきうす葛(くず)いりのつぺいよし 【右丁本文】 または砧木(だいき)を上へつりて動(うご)かぬやうに結付(ゆひつけ)置 てもつぐ也/包(つゝ)みたる根(ね)には毎日(まいにち)水(みづ)をそゝぎて 枯(かれ)ぬやうにすべし右いづれも梢(ほ)を切(きり)はなすは 親木(おやき)の枝(えだ)へ砧(だい)より勢気(せいき)かよひてよく生(おひ)つき たるをうかゞひて先(まづ)ほの元(もと)を半分(はんぶん)ほど切又/数日(すじつ) たちて後/残(のこ)る半分(はんぶん)を切はなすべしされども 物(もの)によりてよく付たるは一度に切はなしても よしまた松(まつ)桃(もゝ)の類(るい)和(やは)らかにて脂(やに)ある木をば 劈接(わりつぎ)にすべしこれは梢(ほ)も砧(だい)と同じほどの太(ふと)さ にてもよし砧(だい)の切口の正中(まんなか)を少し割(わり)て両方 をけづり【図 上部がM形の切口】かくのごとくにしてほの方をば 【図 下部がV形の切口】かくのごとく両方(りやうはう)をそぎ砧(だい)へはさみて 巻付(まきつく)るなり牡丹(ぼたん)などはそぎ接(つぎ)とて砧(だい)もほも 【左丁本文】 同(おな)じくはすにそぎ合せてまき其上へ割竹(わりたけ)を 竪(たて)にそへ其をを又うごかぬやうに巻(まき)接(つぎ)めまで 土をかけて植(うゝ)るなり又/根(ね)を砧(だい)としてつぐ法あ りこれは植木屋(うゑきや)などに鉢植(はちうゑ)をこしらゆる術(じゆつ)也 砧(だい)にする木根(きのね)を掘(ほり)其根(そのね)の勢(いきほ)ひよく皮(かは)のきれい なる所より切取(きりとり)てこれを砧(だい)のごとくにして 土中(とちう)の水気(すゐき)を暫(しばら)く乾(かわか)してつぐべし大木(たいぼく)一株(ひとかぶ) をほれば砧(だい)数(す)十本を得る故に此法(このほう)尤(もつとも)多(おほ)く 接出(つぎいだ)すによろし  ○剌木(さしき)の仕やう 扦挿(さしき)は木によりて二三月さすものあり九十月 さすものあり其中(そのうち)梅雨(つゆ)のうちにさす物おほし 雨の中にはよく生(はえ)つく物なれば也それも朝(あさ)の内に 【「剌木」は「刺木」の誤ヵ】 【枠外丁数】百十六丁