翻刻
【右丁頭書】
痰火(たんくわ)逆上(ぎやくじやう)し中風(ちうぶ)癰疽(ようそ)下血(げけつ)
痔漏(ぢろう)等の難症(なんしやう)となる事/必(ひつ)せり
さればとて又/性(せい)虚弱(きよじやく)なる人は
さやうにばかりもなりがたしたとへば
痩地(やせち)にこやしなくては草木(さうもく)も
おひたゝずちゞみて枯(かれ)ゆくが如く
なればほど〳〵に魚鳥(きよてう)を食(しよく)して
その弱(よわ)きを補(をきな)ふべし俗人(ぞくじん)は養生(やうじやう)
とさへいへばたゞ魚(うを)鳥(とり)の類(るい)を食(くは)
ぬことゝのみ覚(おほ)えたるはさる事な
がら又/一偏(いつへん)なる事也
○人々/好物(こうぶつ)【「う」不鮮明】とて愛(あい)する物あり
その一種をのみ朝夕(あさゆふ)にくらひて
数日(すじつ)止(やむ)る事なきは末(すゑ)に至りて
病(やまひ)を生ずべし菜(さい)肉(にく)ともに偏食(へんしよく)
なきをよしとす
○味噌(みそ)醬油(しやうゆ)酢(す)酒(さけ)の類(るい)は古(ふる)きを
【左丁頭書】
用ゆべし新(あたら)【「ら」重複に気付き止めたヵ】らしきは湿熱(しつねつ)生じやす
く痰飲(たんいん)犯(おか)し易(やす)し
○諸書(しよ〳〵)に能(のう)をいへる食物(しよくもつ)も生冷(せいれい)
の物は毒(どく)となる事/多(おほ)しさればとて
余(あま)りに熱(ねつ)せしめて食(くら)ふもよからず
よく熟(じゆく)したるを少しさまして食(くら)ふ
べし鮓(すし)鱠(なます)の類は病人(びやうにん)には用捨(ようしや)
あるべし
○甚(はなはだ)飢渴(きかつ)するを堪忍(たへしの)ぶべからず
脾胃(ひゐ)虚(きよ)して気(き)を損(そん)ず寒暑(かんしよ)の
時は殊更(ことさら)に用心すべし旅中(りよちう)など
は殊に心をつけて飢渇(きかつ)すまじ
きなりすべて寒中(かんちう)土用中(どようちう)など
は食物(しよくもつ)をえらびよきほとに食(くら)ひて
身(み)を養(やしな)ふをよしとす老人(らうじん)小児(せうに)
病人(びやうにん)などは別(べつ)して心(こゝろ)を尽(つく)して氷(こほ)り
たる物/臭(くさ)れたる物を食(くら)ふべからず
【右丁本文】
一 大根(だいこん)をたくはふる法
一 栗(くり)を貯(たくは)ふる法 百四十五丁
一 餅(もち)を久(ひさ)しく貯ふる法
一 霜柿(つるしがき)をたくはふる法
一 万年浅漬(まんねんあさつけ)の方
一 栗(くり)のたくはへやう一方
一 蕃椒(たうからし)のたくはへやう 百四十六丁
一 紅生姜(べにしやうが)のつけやう
一 柑子(かうじ)をたくはふる法
一 初茸(はつたけ)の漬(つけ)やう
一 塩(しほ)ぬきの法 百四十七丁
一 梅干(むめぼし)の法
一 梅(むめ)びしほの方
【左丁本文】
一 煎梅(いりむめ)の方
一 あちやら漬(づけ)の方 百四十八丁
一 南蛮漬(なんばんづけ)の方
一 金山寺味噌(きんざんじみそ)の方
一 柚(ゆ)びしほの方 百四十九丁
一 ひしほの方
一 柚(ゆ)べしの方
一 越瓜(しろうり)を青(あを)きながら貯(たくはふ)る法
一 奈良漬(ならづけ)の方 百五十丁
一 丸山(まるやま)びしほの方
一 白柿(つるしがき)の貯(たくは)へやう《割書:|并(ならびに)》あはせ柿(がき)の法
【枠外丁数】一