翻刻
【右丁頭書】
㊀ 乾(けん)
○見物は尊(たつと)き物。剛(こは)き物。果(このみ)。骨(ほね)。
四足あるもの。天(てん)。光り物。足なへ。
○聞事は実(まこと)にあらず。主(しゆ)親方(おやかた)
師匠(ししやう)の前を人の支(さゝ)へたるかたち。
ぬす人のさた。いつはり事○得(え)
物は惜(をし)むくひ物。武具(ぶぐ)。丸き
もの。辛(から)き物○待人(まちひと)は。定
まらず。戌亥の日来るべし。
北西より来るべし○怪事は
光り物。烏(からす)。犬。狐のわざ。
物おきか。厠(かはや)にての事なるべし。
○失物(うせもの)は なし。盗人(ぬすびと)取也。
金物。食物。衣類。鏡(かゞみ)。丸き物。
刃(やいば)。冠(かんふり)の類。○願事は 成就(しやうじゆ)
しがたし。身上(しんしやう)の望(のぞみ)ありて日天(につてん)
に願をかくれども凶(わろ)し○出行は
【左丁頭書】
【挿絵】
あきなひはわろし。口舌(くぜつ)。ぬす人に
あふ。人に逢にゆくにもわろし。
西北へゆくはよし。○沙汰(さた)詫言(わびごと)は
そら事をいふ。けしきすさましき
人なるべし。○病人は頭面(づめん)の病
熱気(ねつき)おこりさめて有。足なゆる
事あり。 丙(ひのへ) 丁(ひのと)巳(み)午(むま)の日を慎(つゝし)む
【右丁本文】
巻(まき)にし別(べつ)に梅(むめ)をむきて水につけ醋(す)を出し
その醋(す)一升に寒(かん)の水(みづ)一升五合まぜて漬(つけ)おく
べし入用の時とり出し水に生(いけ)かゆへし葉(は)も
実(み)も落(おち)ずしてよくたもつ也
○鹿角(しかのつの)を和(やは)らかにする法
一 鹿角(ろくかく)を細工(さいく)につかふ時/鯔(ぼら)の骨(ほね)にても肉(にく)にて
も少し入て煮(に)るに和(やは)らぐ事妙なり好(この)みに
したがひて形(かたち)を作るべし
○煎酒(いりさけ)を俄(にはか)にこしらへる法
一 生酒(きざけ)五合に白大豆(しろまめ)一合半/白柿(つるしがき)七ッ八ッ茄(なす)
子(ひ)香物(がうもの)一ッ入/急(きふ)なる時は焼火(たきび)にて煎(せん)じ出すに
鰹(かつを)ぶしをいれて煎(せん)じたるよりは一段(いちだん)風味(ふうみ)
よろし
【左丁本文】
○悪水(あくすい)を清水(せいすい)となす法
一もし上水なき所(ところ)にては悪水(あくすい)をとりしば〳〵
煮沸(にわか)してすまし置/冷(ひゆ)るにしたがひ泥滓(どろかす)を去(さり)
また是を煮(に)れば清水となる也
○餅(もち)にかびのわかぬ搗(つき)やう
一 餅米(もちごめ)壱斗の中へ氷砂糖(こほりざたう)壱両とり水の
中へいるればいつまでもかび出ず
○すき油の方
一 胡麻油(ごまあぶら)一合に生蠟(きらう)六匁入てねるべし但(たゝ)し
これは十月より正月までの方也四月より八月
までは蠟(らう)を二匁ましてねる也又方
一 石膏(せきかう)二斤/薩摩蠟(さつまらう)五斤/種白(たねしろ)しぼり《割書:一ばい|》
但し油(あぶら)壱升のかけめ四百五十目のつもりの割(わり)
【枠外丁数】五