翻刻
【右丁頭書】
婚姻(こんいん)也○出行はよし。商ひ。
旅の懸(かけ)。海川吉也/殊(こと)に東南へ
ゆきてよろし但(たゞし)秋はわろし○
沙汰詫言は半吉なり尼出家
をたのみてよし。訟(うつたへ)はやはらぐる
によし。他人のせめに逢ふを慎
むべし○病は長びくべし。腫(しゆ)
物。疱瘡(はうさう)。股(もゝ)肱(ひぢ)のやまひ。風の
やまひ。中風(ちうぶ)。寒(かん)を感(かん)ずる病。
水神/荒神(くわうじん)のたゝり。出家女の
一念など也。辰巳のかたに住て
をるなり○夢は諸鳥か。旅の
てい。富貴(ふうき)の体。青きものか。
すき物を食ふか也
㊅ 坎(かん)
○見物は雪。霜。露。水辺。
【左丁頭書】
井 泉(いづみ) 魚 出家 舎利(しやり)なり
○聞事は身上の事。妻子(さいし)の
事。出家の事也○得物は有。
すこしおそし。酒のうつは物。水
の道具。衣類/米(こめ)○待人は
来れども中途(ちうと)にとゞまる事
あり。子の日か北方よりならば
来るべし○怪事は寝所(ねどころ)に
血(ち)の骨(ほね)かある也。又は生れ子を
四足の物かくはゆるか○うせ物は
あり。水辺(すいへん)か穴の中に有。足に
はく物か。食物。四ッ足。○願事
は吉。身上の望みなるべし。観(くわん)
音(おん)をいのりてよし○出行は遠(とほ)
くゆくはわろし。北へゆくはよし。
舟にてゆく所もよし。行たる先
にて盗(ぬす)人を用心すべし○病は
【右丁本文】
下になし物(もの)に押立(おしたて)て右のごとく一拍子(ひとひやうし)に
ずい〳〵と刃(は)を付べし鈍刀(どんたう)にても一旦(いつたん)は切(きれ)ず
といふ事なし
○百里(ひやくり)一足(いつそく)の草鞋(わらづ)の法
一 鯨(くじら)のひれを冬ならば五十日/夏(なつ)ならば三十日
泥(どろ)の中へつけ置て後取出し槌(つち)にてよく打
くだきて苧のごとくやはらかにしこれにて草(わら)
鞋(づ)をつくれば百里(ひやくり)はゆくべし但(たゞし)木綿(もめん)のさし
たるをあてゝはく也
○雨風(あめかぜ)に消(きえ)ぬ炬火(たいまつ)の法
一 桜(さくら)の皮(かは)を厚(あつ)くへぎ硫黄(いわう)を焼酎(しやうちう)にてとき
二遍(にへん)ほどぬりて日にほしつけ松明(たいまつ)につくれば
風雨あらき時も消(きゆ)ることなし又/葭(よし)四五/本(ほん)に
【左丁本文】
木綿(もめん)をまき松脂(まつやに)をぬりほしつけ束(つが)ねて
炬松(たいまつ)とすれば雨にも消(きゆ)る事なし
○同/蠟燭(らうそく)の法
一 膽礬(たんはん)《割書:八匁|》樟脳(しやうのう)《割書:五匁|》松脂(まつやに)《割書:十匁|》硫黄(いわう)《割書:三匁|》
焰硝(えんしやう)《割書:五分|》
右/蠟燭(ろうそく)のごとくかためて先(さき)に口薬(くちぐすり)を少し
【挿絵】
【枠外丁数】十