翻刻
【右丁頭書】
人のすゝめによりて財宝(ざいほう)を得る
凶(あし)き事も変(へん)じて吉事となる
殊(こと)さら五六七月に宝を得よろ
こび来る旅(たび)へ出てます〳〵よし
商人(あきんど)は売買に十分の利あり
但し不信心の人は妻子(さいし)に付て
口舌(くぜつ)ありつゝしむべし
●第六/火曜(くわよう)星
この星にあたる年はわろし
とりわけ火事を慎(つゝし)むべし此星
信心の人は万の難(なん)をのがる不信(ふしん)
心なれば二三五七九十一月/住所(ぢうしよ)に
はなるゝか煩(わづら)ふか也又/主(しう)おやかたに
つきて憂(うれへ)あり又/妻子(さいし)につきて
苦労(くらう)あり諸事(しよじ)おもひ事/絶(たえ)ぬ
星なりつゝしむべし
●第七/計都(けいと)星
【左丁頭書】
【挿絵】
此星にあたるとしは大に悪し
信心すれば難(なん)をのがるもし不信
心なれば正二三六月/住所(ぢうしよ)に付
おもひ事ありさては病あるべし
八月南へ行てわろし九月/田(でん)
地(ぢ)にたゝる春三月女と口舌(くぜつ)あるか
また病か損失(そんしつ)か公事(くじ)にあふか
【右丁本文】
その中にて煮(に)れば藍(あゐ)こと〴〵く落る也
○衣服(いふく)の穢(よご)れて久しきをおとす法
一 酸醬(かたばみ)の汁(しる)にてあらへば速(すみやか)に脱(おつ)るなりその
酸醬(かたばみ)汁の色/消(きえ)ざる時は木槵子(むくろうじ)或は赤小豆(あづき)
の粉にてふたゝびそゝぎ洗(あら)へばおつる也
○衣服(いふく)油(あぶら)おとしの法《割書:并|》渋(しぶ)おとし
一油の付たるは大根(だいこん)のおろしたるをもみ付
おき熱湯(にえゆ)にて洗(あら)へば奇妙におつる也/渋(しぶ)の
つきたるは白砂糖(しろさたう)をもみ付てあらふべし
○絹布(けんふ)あらひ張(はり)の糊(のり)の方
一 羽二重(はぶたへ)加賀(かゞ)日野紬(ひのつむぎ)の類は葛(くず)と粘(のり)と等分(とうぶん)に
してとき刷毛(はけ)にて引べし緞子(どんす)紗綾(さや)は端(たん)に
粘(のり)一文がほどに大白(たいはく)砂糖(さたう)五分/海蘿(ふのり)三分ほど入て
【左丁本文】
よくときて布(ぬの)にて漉(こ)しはけにて引へし縮(ちり)
緬(めん)は粘(のり)を少し減(げん)ししやうふ五分入てとき刷(は)
毛(け)にて引べし
○黐(とりもち)また鉄醬(おはぐろ)の衣服(いふく)に付たるをおとす
一とりもちの付たるは鰌(とじやう)のぬめりにてあらひ
鉄醬の付たるは醋(す)にてあらふいつれも速(すみやか)に落る
なり
○味噌(みそ)の損(そん)じたるを直す法
一みその味(あぢ)そんじたるには生松(なまゝつ)の皮(かは)をむきさり
大小によりて二ッにも三ッにもわり味噌の中へ幾(いく)
箇(つ)も打こみ七八日ほどおくべしかならず味よく
なるすべて味噌/桶(をけ)は肥(こえ)たる松を底葢(そこふた)にすべし
がわにもしたるはいよ〳〵よし
【枠外丁数】十六