翻刻
【右丁頭書】
とかく春夏わざはひ来る三六
月を殊(こと)につゝしみ信心してよし
○第八月/曜(よう)星
この星(ほし)にあたる年は吉なり
さりながら月のとがめ有/慎(つゝし)む
べし信心あれば竜(りやう)の水を得た
るがごとく運(うん)をひらき貴(き)人に
引立られ悦(よろこ)び両三度までかさ
なり四十月は主(しゆ)人より宝(たから)を
得る不信心なれば二五月金
物につきて損(そん)あり百姓は牛馬
にたゝる六九月/土公(どくう)神のたゝり
あり冬三月の内に住所をは
なるゝか牢(らう)人するかなるべし
また水神のたゝりにて下部(けぶ)の
煩(わづら)ひあるべし
○第九/木曜(もくよう)星
【左丁頭書】
この星にあたる年は万事吉
なりさりながら正二八月木を
きらば口舌の田地牛馬にたゝる
信心なる人は男女をえらばず
枯(かれ)木の春(はる)にあひて花ひらく
がごとく運(うん)をひらきよろこび
重(かさ)なる不信心なる人はよろづ
たゝりてわづらふ百姓は田畑(たはた)牛
馬にたゝる冬三月のうち病か
損(そん)かあり遠く行て悪し或
寺の造作(さうさく)にたゝる也慎みて信
心すべし
○六/曜星(ようせい)のくりやう
これは毎日の吉凶を判断(はんだん)す
るうらなひ也くりやうはわが年
の数(かず)と月と日の数とを合せて
【右丁本文】
○飯(めし)の片熟(かたにえ)したるを直す法
一飯のかたにえしたる時は酒を少しうちて
葢(ふた)をし火気(くわき)を通(とほ)すべしよきめしとなる也
○同こげくさきを直す法
一なはどうしを洗(あら)ひてめしの上におき葢(ふた)をして
しばらくおけばこげくさき香(か)失(うす)ること妙也
○薑(はじかみ)をかびぬやうに漬(つけ)る法
一はじかみ水気をよくさりて梅醋(むめず)に漬んと
する時からしを少し絹(きぬ)につゝみて底(そこ)にいれ置
べしかやうにすれば一年を経(へ)てもかびず
○紅染(べにぞめ)のぬきやう
一染たる衣服(いふく)の紅をぬくには早稲藁(わせわら)の灰汁(あく)
にてもみあらふべしよくおちる也
【左丁本文】
○青昆布(あをこんふ)のこしらへやう
昆布を銅鍋(あかゞねなべ)にて煮(に)れば青緑色(みどりいろ)となる也
海蘊(もづく)蕨(わらび)狗脊(ぜんまい)も同じ
○乾松蕈(ほしまつたけ)香(か)のうせぬ法
一 新(あたら)しき松たけの茎(くき)を去(さ)り二三日よき天/気(き)
に乾(ほし)て後(のち)陰干(かげほし)にしてとりをさむべし翌(よく)春夏
【挿絵】
【枠外丁数】十七