翻刻
初鰹
十二
鎌倉の海の初荷のえほし魚買ふは得意の大天衆
なり 常村の 緑 洞 園
土佐さつまふしともなれる魚ゆゑに五分もひか
さる直の鰹売 恵能喜園秀世
鎌くらのむかしをしのふ初かつを其直をとへは
天衆かちなり 天霞道人
初かつを売人はうしろふりむかす買人はいつれ
もむかふみすなり 雪の下 皆元廼寄友
三枚におろしてひさくはつ鰹かこをとはせてい
そく商人 さの 子日庵松彦
かり衣ときゝおちしてや逃にけん元ほし魚うる
けちな商人 毛唐人髭面
はつ鰹呼声もよく通り町日本橋より買出した声
遊月舎岩住
そへてうるおろし大根の雪の下鎌倉よりそ来た
るかつをに 望山庵貞丸
勇ましく己かして来た鉢巻を買人にさせぬ初か
つを売 桜園綾波