翻刻
【右丁】
富士詣【囲み】
【上段】
つむ雪は麹の花のさくや姫 陽月舎
ひと夜は宝に寝かす同行
下り来ていきた
こゝちもするかなる
不二にあるてふ
しなぬ薬に
勇々館
道草
珠数は首へかけ念仏の
不二もとりむかひもこしに
ふらしつきし鈴
語同堂春道
よし原へ泊るもあれはす通りも 東海堂
するかの不二と浅草の不二 歌重
【下段】
不二詣で戻る日まては女房の
むねにも雲のはるゝ一日そ
いせ花岡
東洲芦朝景
土産に買ふ
麦わらの蛇も
老の身も嶺こし兼る 玉川亭
駒込のふし 正好
【左丁】
西瓜売【囲み】
【上段】
夏の日もはやたけ町に三日月の 語同堂
たちうり西瓜うれる京橋 春道
偽りはないと西瓜をうちわりて 杉の門
赤きこゝろを見する商人 笹好
両国の手品の
席の楽屋口 松梅亭
たねをちらかす 槙住
西瓜商人
真心の赤う
こさると引さけは
しら〳〵しさの西瓜商人
鎌くら雪の下
皆元廼寄友
【下段】
いろ赤き月の輪きりにたち売の
西瓜も中に水はもしけり
文栄子雪麿
丸売の西瓜は
ねをもきいて買ふ 和朝亭
やすくつけたる客の赤■ 国盛