翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 10

ページ: 10

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しつまらす誠に万死をのかるゝ心ちすれは尤/快(コヽロヨシ)し 其内硯を取出し/柱(ハシラ)/船張(フナハリ)/梶(カヂ)なとに国所我名を書付 扨/麻物(マモノ)取出し二番/碇(イカリ)にさして/下碇(サゲイカリ)にする是は船たとひ 何国の浦へ寄ても子細なきしたゝめなり扨橋舟に 少々積入各乗うつり波間を分て/漕退(コキノク)る無念といふ も余り有四方に山はなけれ共只南部地を心懸/磁(ジ) /石(シヤク)を力に漕程に同七日の晩景にしつかりと云浦の 誠に恐ろしけなる岩間にそ着にける其道の程は 何様四十里もあるらん其まゝ水主等ハ岩の上にあかり 扨も〳〵今度ハ不思議の命助り二度土を踏事よ 是只事に非す/頃間(コノコロ)頼をかけたる天照皇太神宮 の御和生そと友どちか互に手を取組て悦ふ事 限りなし我は又引かへて人にうきを問れん事の 口惜や翌日八日風/変(カハ)り北風いかにも/霽天(セイテン)なり扨々 かかる日和のあるに扨此間の悪風は何事そや是も 前世の因果ならん今はすへきやうもなし/汝等(ナンチラ)は此橋 舟にて亦大畑へ行宿を頼て米をかり切れたる碇 ともさがして暫まち我はまた此風はあひの風