翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 11

ページ: 11

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なれは船もし此辺の浜へも寄るやとかしこき水主一人 めしつれて浦を伝ひ山をこし風の吹行方へそ通り ける白ぬかと云所にて船の事問にしらすと云それより 岩のへつりをして行に上へなる嶮岨に猿共多集り 居て友に/戯(タハフ)れ思ふ事なきにあうひといふれし あら浦山しの猿ともや扨も日頃ハ浅ましき畜生そと 思ひしに今の我身の/懶(モノウ)さに何の猿か身にもなりたや なとゝはかなき事共思ひけるいさや我等も是なる峯 に上りて少休まんと遥々上りて/東(ヒカシ)を見れは彼舟と 覚へて/幽(カスカ)の沖に波間を分て流行其内供の水主にあれ 見よ我船比の風にちかく寄候は何さま此辺の浜へ 着へき也たとへいつくの寄たり共其所にて船道具 /結(ムス)ひて夫より仙台へ行て中物思ふまゝに売へし然れは をのれににも重き恩をあたふへしと念頃に語りて 彼船を目にかけ/弓杖(ユンツエ)二つゑ三枝計をとり上りてゆく 程に泊村の前にては其間今二里には不過やかて其浦 の名主は弥右衛門と云者の方に行有増を語てあの船 此湊へ引付るならは金子五十両相渡すへしさらすは