翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 23

ページ: 23

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去によつて朝見すと云也是そむかしの咄そよ今此御世にいかて 左様成事其通にしてをくべいな煙草ふけとそ語りける中〳〵 にとふてつらさの朝みすや二三の戸を打過て跡ふり帰り 詠むれは今は爰まて/来田(キタ)市や行先ハ福岡と聞に付ても 一の戸夢にもしらぬ山崎をは日暮て独雪の下袖打払ふ小笹 原を分て出るそ懶うけれ高ねの雲も山つたひおりつのほり つ行程に沢辺に見ゆるぬまくなひ南に大山見えたり道行 人に尋るに是社/岩合(イワアヒ)山よされはむかしの西行も/奥(ヲク)の富士と は是を岩合と詠められしそいや是は面白し我も何とかいふへ きと暫くたたすみて「旅衣今きて山をみちのくの富士と よまんも心あらはや山たに名はかりすきの宿をすくれは是は はや国に聞えし盛岡也されは此所は古へ秀平の末子 つづめの五郎か居城とかや今は又南部殿十万石の所也 扨山城にて山下には大河/■(カン)々として岸をひたし塀櫓 の立やう千万軒の町屋共誠に賑ふしるしにはいかなる家の 二階にも幾世ふる共尽すましめくれやめられ盃の手に ふれかさに舞の袖千秋万歳と/唄(ウタ)ふ声旅寝の床に夢 覚てまた立出て行ほとに秋も半の事なるに四方の梢も