翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 26

ページ: 26

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一尺八寸の平造り身もくたり中少々こほれたり入道常に 読給ふ法華経一部八巻金軸なるか/紙魚(シミ)入て破れたり 亦杖の石突は/印子(インス)といへるか黒く見ゆ扨弁慶の長刀は 今の人の手業には思ひもよらぬ重さなり其外の宝物とも 其数多く取出し是々といひて見せらるゝ誠にさなから 昔をみる心ちそ夫ゟ面に経堂あり参りて拝み扨高き 所へ上り四方をみるに彼みたちのいにしへ五十四郡を廻りて 爰なんめりといひ開れし山なれは中〳〵に賎の男か眼に及 事ならし只面白さに頼政の事思ひ出てかくそいひける 「山の姿川の流をみわたせは見所多き平泉かな扨有へきに あらされはあるしの御坊に暇を申し山よりおりてたとり行に 流れ一筋ある小川ありわたらんと思へともしらぬ所なれは いかゝと心許なし向ふより里人の来るに問へは是社むかし 弁慶の館より流るゝ故に今に弁慶の桜川といへり惣して 此ほとりこそ古跡なれ心ある也と語りて行扨こそと思ふて 早高館山になるそのかみは/瑠璃(ルリ)の/宮殿(キウテン)玉を/垂(タレ)出入 人跡数〳〵の袖をつらね/裳(モスソ)をかゝやかしさこそあらんに /伍子胥(ゴシシヨ)か/諫(イサメ)し昔にもこえて今は草/茫(ハウ)〳〵として