翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 28

ページ: 28

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月の光もまだ西にありかへの宿を打越てかんなり沢辺 の水増て早高/清水(シミツ)に/鳴戸(ナルト)橋打渡りつゝ行程に これハ荒屋の軒端より亦名を替て古川の森の此方 に三本木其夜はそこに泊るに宿のあるしか心ありけにて 四方山の事共咄す我いひけるは聞は松嶋こそ此辺と かや是より道は何程いつくをさして行候そ亭主いひ けるはされは其松嶋は日本無双の景地也道を急き 給はすは少寄て見物あれ是より七里此間には宿なけれ は馬もなし物さひしき道也松嶋より仙台へも七里 なり/直(スク)に行は八里なり兎角心にまかせよといふ扨は是大 きなるまはり也急きても猶あまりある事なれと今此 道を通る事不思議の縁也本国にて朋友の/土産(ミヤケ)共すへし と思ふ計をしるへにて夫よりも道をかへ松嶋海道へかゝ りける誠に亭かいひしことく田ぶちをつたふ細道也暫 行て小村ありさる家の縁に腰打かけて水なと所望して やすらふに其在所の子共とみえて多く集り我をみて 一度に手をうちとつと笑ふ伝へ聞五条の中将天女の姫 をばらもん王に奪ハれ出家となりらせつ国に行給ふに