翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 29

ページ: 29

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眷属等是をみて鼻をふたき耳を引出家を中に取籠 て笑ひしも角やと思ふ余りすさましさに主に其ゆへを 問ふに亭主いひけるはいやとよ御身のやうなる見馴ぬ人を めつらしく思ひ角するそよ少も気遣なしといふ子共に たはふれ余程休みたりそれより行に子共半里計の迷ひ 道を送り名残をしけに帰りける夢にもしらぬみち 此辺の草葉の虫の音たかく誰を松むしきり〳〵す をとする鹿の妻こひに偕老の契りささめことかたる 其夜を松嶋の御寺に社ハ着にける先心静にふし拝み 扨御堂の内を/見廻(ミマハ)すに聞しにまさりて夥し/廻廊(クハイロウ) /庫裏(クリ)拝殿十八間の長廊下皆金銀を尽し中にも 本堂は/黄金(コカネ)の柱を立並人瑪瑙の行桁瑠璃の梁 玉の扉は鮮に庭には金銀の砂を敷四方の門辺の 玉の戸を出入人まて光りをかさす粧ひは誠や名に 聞し寂光の浄土共いふへきかそれよりも杉林に入て みれは岩組の木影をきよめや替りの小石共の角を 並へて所々にしき其/奇麗(キレイ)言語にものへかたし爰に 坊主等数十人集り居て我をとかむいや是は上方の