翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 33

ページ: 33

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本堂を見上れは/七宝(シツホウ)を/琢(ミカ)き又大きなる事は言葉 にも及ひかたし只あきれて立たりける拝殿にあかり 袖かき合せそもや六社の大明神はかけまくも此神は 霊験あらたにまし〳〵て彼秀衡の守護神也と きく今とても頼む心に違ひはあらし我今思ひ あり願くは正直の首に宿り心のうちの苦しみをはら し給へと心静に願念しそれより庭に下りてみれは 井垣の内の脇立ハ稲荷貴船/糺(タヽス)の宮扨其外の諸 末社は見るに暇のあらされは御前を下向して 町に下るに数百軒の家共海の/廻(マハ)りに立ならふ又渡 海の廻船はやぐらの下にともへを並ふ町中に明神の 下まえ十余町の堀川あり塩干潟には水もなしみつれは 彼大船共川を上る所とて/夥敷(ヲヒタヽシク)木場あり扨又東の 磯際に塩釜ありと聞程に頓而行て見るに是社千家 の塩釜とて口ハ一丈余りにして深さは五寸計也台 にのせそれに塩水/八分(ハチフン)に入たり今此釜にて役人の あらされは六社の神具と成とかや/当時(ソノカミ)/嵯峨(サカ)天皇 の御宇に融の大臣此/塩竃(シホカマ)の/眺望(テウバウ)を都のうちに