翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 36

ページ: 36

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生物語なとして夜更て寝る朝にいとま申て塩竃を たつ白す峠に打上り東をみるに満々たる田は中〳〵幾 十里共しらす北の海には江戸廻り岩木相馬の船ともか 順風に帆を上たり西は/金菓山(キンクハサン)石の/巻(マキ)けせんの 山を引廻し南は仙台城かまへ大名町やのむねまても 実あり〳〵と見えたりそろ〳〵ゆけは仙台につく先/外(ソト)川に 行て御城構をみるに其大き成事たとへていふへき方も なし諸大名の屋形共は皆大杉なとに/土手(トテ)かまへされは此 国主は当代にも其肩を並ふる人もなし誠に六十五万石 は替らぬ民のかまと迄/賑(ニキハ)ふ煙たへもせす数万軒の 町屋共皆/瓦葺(カハラフキ)や白土赤壁惣二階呉服町とうちみえて 金/襴綾段子(キンラントンス)の巻物を山のことく積上て何か御用といふ 体は花の都と申す共是にはいかてまさるへきさて 寺々の多き事言葉にもいひ難し爰やかしこと廻る程 に秋の日のかなしさははや申のさかりに成けるいさ宿から んとはたこ屋町へ行てかるに思ひの外かさす爰やかし ことするうちにはや黄昏時になる側なる菓子屋へ入て 餅なと食てやとかさぬやうを問ふに主かいふ様されは此所