翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 37

ページ: 37

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は宿をかすにむつかしく先御自分なれは国は/何国(イツク) 何方へ通らる荷物は有やなしや若此/旅(タヒ)人に何様 の/口舌(クセツ)出来る共一夜の宿罷出急度相唀へきの手 形を認め町奉行へ上る也/連(ツレ)の五人も三人もあらは社其 六ケ敷事もすれ一人にはかさぬなりそれを尤と思はるへ しそれも七ツより前方ならはかしやうもあれと中〳〵 日暮たり今町の内一里計行て橋有向ひは永町といへり そこにて宿かるへしといふ力なくかしこへ行に何様町の内 一里余も来ぬると思ふに大なる橋有渡りて宿をかるに 猶/怒(イカ)りてかさす扨はいかゝせんと思ふにせめて月夜なれは よきに八月廿四日のしかも空うち曇りて風/茫々(ボウ〳〵)と吹物 冷しくして/目(サス)とも不知道の案内もなきに腹はすく あきれ果て立たるに辻番の者ともこゝな男はたるひ者 た町にてさへ泊り得ぬうろたへ者まして爰にかすへいな はやくゆきなひかと棒をならす恐しさに町の末に出て 行方をみやれは東西くろふしてそこ共更に不弁よしや今 夜此道にて豺狼の餌と成共ゆかて不叶事なれは其永 町と立出て今は我身に秋の夜の風冷しく吹落て