翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 39

ページ: 39

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音とも声々にて中〳〵野原より冷しく膝をかゝめて宿の 事とふにしはしまて/咎(トカ)なきなからとかめにあひ結句むつかし からん今は事の外に草臥たり此宿の末にて野宿せん と思ひ得てみれは刈田のあとに/大豆木(マメキ)つぶり有三四把 引寄て立並へ其内に/刀(カタナ)を枕にして伏ける仙台より道は 五里余り来る草臥はする腹は中〳〵かひなし只今何者か 来て命を取るもしらは社誠に一朝の怒に其身を 忘かといへる/類(タグ)ひにもやあらんか今夜いかなるばか者か 見付てためしものにせは彼存念も晴すして空しく 果ん事是何の為そや兎角名利の捨かたき身こそ 悲しけれ我なから浅ましき事を思ふて「名をおもひ 欲に迷ひの雲あつく晴る心のなき身社うき「行暮 て此みちのくの草枕いつかかたりてうきを晴さんうたゝ ねの夢見る隙もあらハこそ頓て海道に/人音(ヒトヲト)せり/目覚(メサメ)はひ 出てみるにはや日は/巳(ミ)の時也人も通り馬も行通行人 我を見てふしきといふされは夕/宿(ユウベ)取かね爰に臥といふ 皆人あはれといへりそれより岩間といふ所にて/朝支度(アサシ タク) し其岩間を/突(ツキ)ぬけの宿うち過て舟沢や大川原に