翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 40

ページ: 40

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寄波も金か瀬こへて見渡せは思ひか猶そ織田の宿此 行先は/白石(シライシ)と人も片倉小十郎の六万石にてかため たり誠に小城といひなから/要害(ヨウカイ)第一の通路はうしろ ハ巌石峨々として/苔滑(コケ  ナメラカ)にして道もなし扨又東の通ひ 路ハ宿を切ぬき道とする/函谷(カンコク)の関ともいふへき也東八州 の剛敵か百万騎にてよするとも破り難くそみえにける 是をも通り行程に/娑婆(シャバ)にもさいの河原やと名を きくたにもこすごの宿其里〳〵の人まても我をあはれ と飯田の宿爰こそ織田の郡とや彼四郎か城山三方か岩 壁にて中〳〵鹿の通ひの路もみえす扨一方は/九折(ツヽラヲリ)の /細(ホウ)道見えたり其山の麓にかの次信忠信二人の/嫁達(ヨメタチ) をあら人神といはひし小性堂にまいり其名を得たる 弓取の忘れ形見かとはかなき事共を思ひて木像 をつく〳〵と見居て俤もやさしき姫の姿哉まことの 人はさそやあるらん扨立出て行程に藤田の宿のかり まくら爰にかゝりの宿過て瀬の上宿の人まても 誰を忍ふの郡とやいか様佐藤の/郭(クルハ)こそ聞まほしやと 思ふ所に山賎の薪を/樵(コ)りて来るいかに山人むかしの