翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 42

ページ: 42

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を思ふにそなみたも出羽の庄司殿か拵へきつきし 所なれはさぞよからん四方に築地の跡もあり又 池も有蓬莱方丈の所かやあやめまこもしけりたり 夜の星は空にひかれ共南殿の桜はなし比しも秋 にて四方の梢は色つけともしらきくもなし月日の 光川の流れ山の姿里の景庭の水なる蛙の声是 そ昔の/模様(モヤウ)ならん爰に石堂共のいくらも有是は と問ふに小僧いひけるは是社佐藤殿夫婦兄弟 忍ふの十郎吉次吉忠の墓也さもとらしく 見えて/青苔文字(セイタイモンジ)を/埋(ウヅ)みてあり小僧もしらねは面白も なし其時懐中より心経を取出し静によむされは此 経は大般若の抜書にて殊勝なるとかや愚か手向そと廻 向する夫より西の尾に立渡り小僧いひけるはあれは丸山 花見の嶽北の在家は外波村山口の森迄みえたりいさ帰ふ といふて帰りけるに/主(アルシ)先御坊是へといふて茶を給はる誠 にか様の御茶いつくにてもたへす何の花香有てかあつき 御情やと悦ひ頓而暇申て又もとの道へ出たりけふもはや 暮方やとかくに道を急くや今行さきは福嶋とねこ町