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宿のかり枕■【夢?】し結はぬあたし世に山口村の西にこそ睦奥
の忍ふもちすり誰ゆへといにしへ人か読たりし名石の候が
今もむきの葉にて文をとなへてする時は文字出るは奇特也
千引の石共いふなりと道行人か語れとも亦一里の寄なれは
脇にみなして行程に八丁目を打過て見るに心のみたるゝは二本
/柳(松歟)の宿とかや爰こそ丹羽左京殿十二万石の所也誠に町や
の有様ハ知行に杉田の宿過てはや本宮と聞からに神の
利生のあらはれて我か願ひ言の葉も心の儘になるならは
四方に其名は高倉の宿にも今はかうり山/笹(サヽ)川/須(ス)川
笠石のつきせぬ里は久米の石やぶき嵐身にしみて
大あこ宿の山影を流て落る小田川の末は何■と
白川や爰こそ名に聞し奥第一の要害なり誠に唐土の
安禄山しゝめいしうほつしやうこんは百千万にて来るともいかて
通さん二所の関と語も本多能登殿の十二万石の主
にて末万歳とうとふ声旅寝の床に夢さめて夜も
白沢の峠にて四方の景気を詠るに/漫々(マン〳〵)たる田の面
万町か沖ともいふへきか鹿の子またらの村の景たと
ふへき所もなしそこなる茶屋に休みてあたりの事共