翻刻
彼荒者等亦背をつきあたまか下る声がちいさい奥
迄聞へす成程声をはかりに申せといふ故に時々調子を
上て申/果(ハタ)す其時それ訴状とあれは訴状読畏てよみたり何か
此程此事斗を■召せし故に何の違ひか有へき各聞召是は
国公事そ加賀爪小笠原殿にて事を究よ品あらは亦是へ
参れはや■【出?】ませと有頓て御前を立中門に出れは宿主
待兼いかゝと問ふ次第を語れは後藤悦ひて扨は便りよし
先鰐の口をのがれたりさらは両方へ行て帳に付へしと
山城殿はたやすの御門甲斐殿は鉄炮洲是へ参り敷台
番人行けふの訴訟の段々申けれは番衆いひけるは此月は
甲斐殿番にて此十八日の内寄合也それに出へしといふ畏て
しきたいし其日の暮方に後藤とうちつれ帰りける其内はや
十八日に成けるまた後藤と連立て加賀爪殿に行其日も
公事訴訟に廿人斗詰掛る是にては脇指斗取袴羽織は
ゆるす頓て御前へ出けるに正面は山城殿左は甲斐殿右之
方は御横目也扨先日の如く段々申上あはれ御七判を下し
給はらは彼所の盗等を一々召/連(ツレ)罷上り是にて対決仕
事を究度奉存候と申ける何れも聞召船頭か申程には