翻刻
を加増し残る者共にもそれ〳〵と恩賞をあとふへし去な
から船頭か申とは抜群違ふたり内にて能々相談してなら
せよと言付て帰らるはや其日になり佐右衛門殿より使来て
角といふ扨は彼者共上りたりけふ社大事也と後藤も
我も新敷袴羽織着て打連てゆく先日の様子には
事替り大殿の山田柴田座上す佐右衛門殿衆も玉井井上
を始とし侍二十人斗ニ行に直る我も人々に一礼して余程
上に直る宿後藤もけふ社一大事に南部の相手出て対決
せは向ひは六人こなたは独なれは/言負(イヒマケ)るもしらす卿今日爰にて
まけたらは向ひに気をとられ伝奏にてもよかるまし只勝負は
爰にありと色をかへうでおしひたいに汗を出し我かうしろにつめ
寄て直る/座定(ササタ)まりて後山田のいはく扨一両日のうちに南部よ
り二三人/上(ノホ)りたりされ共道を/急(イソ)く故にいまた草臥なをらす
下屋に置たり船頭の口上今一通り聞彼等に申渡し返答
さすへきと存し使を立るに早速参られ祝着申すなり南部にて
の様子今委しく聞申さむとあり其時我は身両手を/握(ニキ)り
膝の上に置されは社此程に舟奉行御代官其外浦方の歴々
衆中御上りのよし承りて候皆是へ御出し候へ問答してきかせ