翻刻
直して訴訟に出る時もあり或時は大膳殿より宿をよひに
来る後藤何事かとつれて行彼山田柴田両人後藤に馳走
していひけるけるは彼者共を公事場へ出し一たひけつさせんと
/究(キハメ)しに先日佐右衛門方にての口上なれはたとひ理あり共船頭
に/言負(イヒマケ)へし兎角此上は御手前を頼む也船頭か南部より是迄
来る路金にて堪忍させてくれよ其礼には御分にも鼻紙代
を出すへし万事は頼むと云はれける後藤承り仰の通船頭に
申すへきにて候去なから金子とあらは五百両船の敵といはゝ
代官船奉行也と常々船頭が申候少斗にては合点仕る
間敷候へ共先々申てみるへしと頓て帰て角といふ我聞て思ひ
もよらす金も不入あの六人の/奴原(ヤツハラ)を金浜にさらさすは見て
笑はるへしと申切て居る時大膳殿よりは船頭かつよく訴訟する
故に加賀爪小笠原殿よりは日夜の使来る也何とそ頼入そと
今よりは其方も大膳屋敷へも出入あれなと云て/様々(サマ〳〵)に頼む
我等は中々不聞後藤も今はあきれたり頓て国の屋敷
に此よしを聞召何れも御寄合有て我を召て今は大膳殿より
扱ひとあれは公事は早勝也申/募(ツノ)りて今少金を多くとり
たりとて最前の損かいゆる事にも非す然れは彼方は大名