翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 70

ページ: 70

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より侍一人来て後藤に船頭と同道にて急き来られ候へと/慇懃(インキン) の使なり其日は後藤も我も装束を改め行に彼山田柴田中 式台になをり是へと云両人か向ひに直し今度は後藤の働き 故に堪忍せられ大膳も満足いたさるゝ今より後船頭も南部に 行て前よりは猶も商売せらるへし互に遺/恨(コン)は不残先盃さそふ と云て山田さす其時我も席を立て少斗下り盃を戴たき 山田に返す柴田さす時に山田か金を取出し是は船頭殿是は 大膳か宝蔵より出したり仕合はあやかられよと我か前にをく 時に我等いふやう爰に私訴訟の候か様に御済しのゝち彼御奉行 方浦の衆中を御法なりとて若御たゝりも候へは堪忍仕ても詮 なき事に候是程の御金を申請たりとて五百両の/損面(ソンメン)のいゆる 事にも非す兎角堪忍仕るうへは人殺ししてはせんもなし今は 此衆中に御/祟(タヽリ)有ましと御両人の御墨付を給り候はゝ夫をは国の /土産(ミヤゲ)にして御金は申請ましくと山田の前へ返しける両人いはるゝは 扨々船頭は若き人なるか流石の仁也其事は心得申候そ先金を とるへしと有又いひけるはいやはや角申よりしてはいつ迄仰候ても 一分も取不申国の屋鋪にも思はれん所も有只御墨付を給はり候 はゝ千両にも替かたしと達而訴訟申ける其時山田居直りていひけるは