翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 74

ページ: 74

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聞所はいつくそおしへ給へ老僧いひけるは是より行て見よ 墓も多し一段高き所に横山一門小栗十人の墓有又 上野か原とは何の野やむかし語り程にはなしといふて老僧 は申せにけり行て見るに墓原や別して替りたる事も なし夫よりもとの道に出て/小幡(コハタ)の里も近嶋や爰には何を /駿河(スルカ)町はにうの渡しを打越えてゆけは向ひは平塚や爰 にて馬に/乗(ノリ)町の末に橋有/馬士(マゴ)がいひけるは是は花水の 橋とて四十三間有御存知かと云いや始而の事なれは/曽(カツ)て 不知此道の名所委しく語れといふ程にはや/唐土(モロコシ)か原と いふ取あへす狂歌とやらん「/相模(サカミ)かたむさし野近き/名所(ナトコロ)は やまとにあらぬ/諸越(モロコシ)かはらそれより少行て爰社十間坂と いふ彼吉盛にをとされて/爰(コヽ)迄馬/牽(ヒカ)せたるとや山下宿 かわらん名所は猶も大儀の長者が屋鋪の跡みれは爰に何様よの つねの者の二人斗して持そうなる青色の石あり此石こそ/諸(イハレ) あり/能男(ヨキヲトコ)か/持(モテ)は軽〳〵あくる/悪(アシキ)男には/曽(カツ)てあからさる故に/色(イロ) 好の/虎石(トライシ)といへり石さへも左あれは/誠(マコト)の虎は嘸あらんなふ 旦那殿と語る我いひけるは暫くまてや男ぶりこそ似す共 貧なる所は祐成も我にはまさらし持て見せんと云まゝに馬より