翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 75

ページ: 75

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をり/強力(ガウリキ)を出して気はれ共責て動きもせす扨はあしき男 そと/馬士(マコ)と共にうち笑ひ又打乗て行程に曽我の古里脇に みて並木の松原まな鶴か崎鴫たつ沢に小磯の森梅沢/吾妻(アツマ)の明神 を心静にふし拝みゆけは程なく小田原や爰こそ/外郎(ウイロウ)の名所也 少斗買へきと思ひ見世に立よるに内より茶の菓子の馳走して 頓て五十文迄かわせけり其夜はそこに泊り夜明けて/足柄(アシカラ)山を上る に中々聞及しよりは難所なり湯本の橋を打渡り/深山(ミヤマ)おろしに すゝも沢猶行さきは大沢のさひから/白水柏木(シラミツカシハキ)坂彼祐成や時 宗かやたての杉を右になし上り〳〵て行ほとに頓而峯の権現に 参り御/手洗(ミタラシ)の内水を/手水(テウズ)にむすひ爰彼を拝み廻り彼時宗 か学文所虎か髪をおろせし跡なとむかし今に思はれてあはれ にも相みへける扨夫よりも前の/縁(エン)に出て/御手洗(ミタラシ)川を見渡せは 湖水/渺(シヤウ)〳〵?として彼又/悠々(ユウ〳〵)たり/実(マコト)に峨々たる嶮山に此池の有様 こそ神妙の業と思はれていとゝ/貴(タツト)さに「世の中の頼む心はかはる共 山川と共に神はかはらし扨御前を下向してさいの河原にしやうか 嶋はや御番所に着手形を渡して通り町へ出て見物しまた 四里の坂をは下りけるかたき道こそ石原のいつ迄ゆけと長坂や はら〳〵とふる大時雨今そはしめて大坂を三嶋の宿は是とかや