翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 8

ページ: 8

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うそをつきたり此/科(トガ)はいかにいや我は親に/不孝(フカウ)な れはとかく仏にはなられまいといふて/泣(ナク)もあり又 若き者共は何の分もなしいざこひ/腕押(ウテヲシ)せうと 云て力こぶを出しこぶしを/握(ニギツ)て飛/廻(マハ)るも有心々に ふるまふをみるにもいとゝ/悲(カナ)しさはあの花のやうなる 若者共をけふ明日のうちに/皆底(ミナソコ)のみくずと成へき こと思へはむねふさかりて前後も更に/弁(ワキ)まへす其中 に/艫取(トモトリ)/親仁(ヲヤジ)そいふやうとても死する命なから皆に 不叶なから/一先(ヒトマツ)橋舟にて上りて見ましやよも/仙台(センタイ) 地まては流れし物をいまた南部の沖ならんそ/去来(イザ)此 事船頭殿に申さむとて我前に来て/角(カク)といふ何某いひけるは 誠に/各(ヲノ〳〵)がいふことく上り度ものなるか/倩(ツラ〳〵)おもふにけふ早 三日ほと/糧(カテ)絶たり然るにより力おち/働(ハタラキ)かたからん今 一里の間にて/汀(ミキハ)を見かけたり共/危(アヤウ)かるへきそやまして 目の及ふ程には山もなしたとへ又命目出度上るとも 今此船に/離(ハナ)れての命何にかせん汝らはあの弟共を 伴ひて早々上れよ命めてたくは古郷にて我かなれの /果(ハテ)を語るへし我に於ては上るまし是まてか限り也