翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

海陸世話日記 - 翻刻

海陸世話日記 - ページ 87

ページ: 87

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を三間竹に結付二人して指上る其影に神主の一家二十人計手を 引合て/退(ノク)松木殿いはれけるは大方の物は皆土蔵に/籠(コメ)たれと 是程の風に何かたまるへき此車長持こそ大事の物有あの二人の男 に引せ御分は/警固(ケイゴ)して彼下屋敷に行て松下与兵衛に渡し /御喰殿(ミ ケ トノ)に来て松木か家来と/呼(ヨハ)れよ必す頼むと言て/遁(ノガ)れ ゆかれける二人の者にひかせて大門を出るとはや玄関盛と焼上る 扨町へ出今二町も引去るに一の鳥井下馬町口へ引並へたる長持は 幾千共不知其/尻(シリ)へ引かけ〳〵する程に/先(サキ)はつかへて不行うしろ よりは焼来るいかにせんと思ふ中に彼二人の男は見えすいや〳〵我 も逃んと思ひ思ひ引並へたる長持の上をさら〳〵と走り町の うらへ出て刀をぬき垣を切落し頓而/堀端(ホリハタ)へ出て見るに老若 男女か堀に入て父よ母よあつやかなしやとさけふ声は時を作る か如し我も堀へ飛入老若かあたまを橋にしてほとなく御/庭(ニハ) へ出/御喰殿(ミ ケ トノ)に行てみるに神主等皆集りたりと見えて 上を下へと/騒動(サウトウ)す松木の家来と/呼(ヨベ)へとも答る者更になし とかく少寝んと思ひ椎の木によりかゝり眠り居たり夜明 方に人来て爰にもいかなる国の道者やらん臥たりと云音に 目覚あたりをみれは国々の道者とも焼出されてこゝかしこ