翻刻
【右丁】
る者を若秀才と名く書を読字を識る其秀才毎年十二
月之を試るに四書の題を出し詩一首を作らしむ能す
る者は名を籍し升て副通事となる此より漸く升る紫
金大夫に至る亦称して親方と云《割書:明の洪永両朝の賜姓|万暦中に至て存する》
《割書:者止蔡鄭梁金林五姓万暦三十五年続て賜ふ者阮毛両|姓毎姓の子孫甚繋衍せず餘は籍に寄り家を起して貴》
《割書:顕なる者多しと雖ども|然も賜姓の旧に非すと云》
附 ̄リ首里の四大姓と称するは向翁毛馬の四姓を云向氏
は即 ̄チ国王尚姓之別族なり少く遠ければ則向と称して
以て之を分つと云故に世々王家と王家と婚姻を通ぜす其本
国の人王家と婚姻する者惟翁馬の三家のみなり世
【左丁】
々王舅法司となると云
風俗
古は琉球人髪を剃らず清朝に至て頂髪を剃る国王よ
り以下皆時制に遵ふ外髪を留め一囲して小髻を頂の
正中に綰す
市集早晚雨集る俱に女市をなす男人なし
銭洪武永楽銭古はあり今は絶てなし常行の銭は寛永
の文銭なり亦鳩字銭と云あり黒銅銭なり形細鉄糸圈
の如く一貫三四寸許に及はす紙にて貫口を封し之を
鈐記す散すれば用ゆべからすと云《割書:本邦の丁銀の|如しと見ゆ》極て