翻刻
【右丁】
軽小にして千掬に盈す千毎に国銀二分二厘凡五貫銭
僅に銀一銭に折す其来こと已に久しと云
婦女脂粉首飾なし手背皆青点あり五指脊上黒道直に
貫て甲辺に至る腕の上下或は方或は円形を為こと等か
らず女子歳十五なれば即針剃して墨を以て之を塗る
歳々増加す官戸皆然り
国人書を作る皆臬に寄らず倒に紙尾を巻て左手に掌
中に箝頓し懸腕にして之を書す筆は鹿毛を用管帽と
もに此方に同しく短管長四寸餘と云
燈は此方の懸行燈に燭を用王宮内皆然り民間の燈は
【左丁】
多く燭を用ひず木を以て燈を作り四方紙を糊し油碟
を其中に籠め席上に置く
扇(セン)は蕉扇なり円なる者を日扇とす男子之を用ゆ婦人
の用る者は其傍を欫て欫月の如くす之を月扇と云官
民《振り仮名:摺疊扇|タヽミオウギ》を用ゆ冬夏ともに大帯の間に挿みて飾とす
末広は僧人の用る所とす団扇(ウチハ)は惟王宮中之を用命婦
或は賜を受て始て之を用ることを得ると云
茶碗(チヤワン)茶托(チヤダイ)茶帚(チヤセン)皆 我邦の製に同じ
烟架 又我邦の製の如し室中数具を置き人前各一具
を置く一奩中《振り仮名:火炉|ヒイレ》一《振り仮名:唾壺|ハイフキ》一《振り仮名:烟盆|タハコホン》一あり