翻刻
書を作り薩兵将に出んとするを本国に報す忠
恒其忠を嘉みし縦して国に還へす是より先き
関ケ原の役浮田秀家薩摩に奔る家臣来り集る
もの甚多し秀家忠恒に請ふて曰く聞く琉球久
しく入貢せすと願くは余に此国を賜へ余伐て
之を取り永く臣属と為さんと忠恒笑て対へす
秀家其家臣と謀り竊かに船を発す風に遭ひて
船壊れ達すること能わす秀家己れの薄命を歎
して止む九月尚寧仲村親雲上を使として薩摩
に聘問す十年明主右給仕中夏子陽を正使とし
行人王士禎を副使とし六月一日那覇に抵り冊
封の礼を行ひ尚寧を封して琉球国中山王と為
し仍て皮弁服等を賜ふ《割書:尚寧爵封ヲ請フモノ凡|ソ四回ニシテ始メテ冊》
《割書:使来リ封セラル|ヽコトヲ得タリ》是より尚寧明国を頼み愈々本
邦を疎んす七月島津忠恒義久義弘と議し其臣
本多親貞を駿河に遣し本多正純山口直友に頼
り琉球を伐んことを請ふ八月政信等之を家康
に聞き家康直友をして旨を伝へしめて曰再ひ
使を発し来聘を促し猶導はされは更に征討を
議せんと是歳始て天界寺を以て廟所と定む尚