琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 中 - 翻刻

南島紀事 中 - ページ 35

ページ: 35

翻刻

す尚寧は西来院菊隠江洲親方等を顧みて謂て 曰吾聞く積善の家には余慶あり積不善の家に は余殃ありと今余慶既に尽き余殃孤か身に及 ふ父母の国を去り遠く扶桑に赴かんとす一樹 の影に舎り一河の流を汲むも亦他生の縁とは いへ己に彼しこに至らは孤身復た誰にか托せ んと従臣等皆是を聞き涙に伏して対へて曰臣 等世々爵禄を辱ふし父母を養ひ妻子を育す皆 是れ君恩に非らすや禽獣すら尚ほ恩を知る況 んや人に於てをや願くは王駕に従ひ臣子の分 を尽し世々の洪恩に報ひ奉んと尚寧始て心安 くそ船に乗る友野二郎右衛門三島九郎左衛門 等本船を守護し今帰仁大島を経て廿四日薩摩 山川港にそ着きにける廿五日上陸し山川の仮 屋に留まる久高は人を残して警護せしめ即日 鹿児島に凱旋す廿六日家久使者を発し捷を駿 河及江戸に報す六月三日藩命あり町田久幸《割書:勝|兵》 《割書:衛|》鎌田正徳《割書:左京|亮》等山川に至り尚寧等を守護す 義久正興寺の僧丈之を遣し尚寧を慰労す廿三 日尚寧等を舟に上せ鹿児島に至る時に新殿既