翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

日ごとの心得 - 翻刻

日ごとの心得 - ページ 20

ページ: 20

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【右丁】 ほしかためたるを粉にしたる升目也.日に三升 炊(た)く家にては一ヶ月に三升ほどとれる 此粉を貯へおきて用ひやういろ〳〵あり末にいたず.迚もきゝんの節のこゝろがけ なればどのやうにしても美味なるものにあらねど松の皮を食し藤の若葉(わかば)を 食するよりは遥(はるか)にくひよきのみならす胃(ゐ)にいりて消化もよく人命をつなぐの 第一なり人々こゝろがけたくはへおくべきことなり     ○糟団子(ぬかだんこ)の製法【注】 糟【注】弐合へ白水 葛(くず)壱合小米の粉壱合三品合して極細末となし.湯にてこね 常の如くにまるめ.ふかして食する也.甚くひにくきものなれどもきゝんとな りてはせひなきこと也又此団子を.こしらへたてに平たくして干(ほし)かため.焼(や)き て食するときは中々香ばしくしてくひよく出来(でき)たてよりは甚たまされり これまたこゝろがけおくべし     ○同 糟湯(ぬかゆ)の製法【注】 【左丁】 小米をとりたる小ぬかを狐(きつね)いろになる迄いりあげ木綿(もめん)の袋にいれて土瓶(どびん)に て煎(せん)じ湯茶(ゆちや)の代りに用ふべし麦湯(むぎゆ)よりはかへつて香(にほ)ひよく至極よきもの 也これ又うゑをたすくるの手あてにして大(おほ)いに人身に益(えき)ありたとへいつたんの うゑを凌(しの)げばとてからだに毒(どく)なるものを食してはくはぬにはおとれりされば きゝんのせつはいかなるものを食しなばよからんと常に工夫をめぐらさば何か よき品もありぬべし足元(あしもと)から鳥の立(たち)たる了簡にてはきゝんにかぎらずなに 事にてもまごつくこととこゝろえべし     ○大根飯(だいこめし)のたきやう 大根(だいこん)を千六本に切(き)りざつとゆであげ飯(めし)の水のひけぎはへちらすべし水 かげんは常の如くにてよし人により大根を釜底(かまそこ)へしく人あれ共こげつきて 風味わろく惣じて干葉(ひば)芋飯(いもめし)の類(たぐ)ひもうへにおきたるがよしされ共田舎にて たくいもめしは芋をゆでずにたく事ゆゑ釜そこへしかざればにえとほ 【注 「糟(かす)」は「糠(ぬか)」の誤記ヵ 「糟糠」から勘違いか】 【虫損部は東京大学総合図書館蔵本を参照し注記】