翻刻!江戸の医療と養生

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日ごとの心得 - 翻刻

日ごとの心得 - ページ 21

ページ: 21

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【右丁】 らず干葉(ひば)めしは割麦(わりむぎ)壱升の中へ大根干葉きざみたるを三合ばかりも いれてよし同じく上にちらすべしいづれも水のうちよりしほをいれて たくべし跡にてしほをふるは風味よろしかがず【注】としるべし     ○小米餅(ここめもち)の製しかた 小米の砂をえりてよく〳〵とぎ日にほして臼(うす)にてひき粉となし煎湯(にえゆ) にてこね.蒸篭(せいろう)にてふかし.のしもちの如くにして一夜おきて切(きり)餅のやう にきり.沢山ならば酒樽のあきたるを調(とゝの)へ.上の方へ手の自由(じゆふ)に出入するた けの穴(あな)をあけ.それよりいれてたくはへおけばしばらくはかびず餅を だしたるあとをいち〳〵ふたをせざれば風入りて直(ぢき)にかびるなればよく〳〵 心づくべし.暮の餅も此(この)如にしておけば三月頃迄は一向に殕(かび)ることなし     ○雪醤油(ゆきしやうゆ)の製法 雪水弐升のうちへ胡蘿蔔(にんじん)拾本 木口切(こ  )にし荒布(あらめ)十五匁 黒豆(くろまめ)壱合 塩(しほ) 【左丁】 五合右四品 入(い)れて壱升にせんじ糟(かす)をさりさめたる処を徳利(とつくり)へいれて貯(たくは)ふ これ飢(き)きんにて醤油なき節のこゝろがけなれば原(もと)より美味(びみ)にはあらねど 此法松露菴雨汁といへる誹諧師(はい    )の伝なり雪のなきときは新汲水(くみたてのみつ)にてよし     ○甘藷粥(さつまいもかゆ)の炊(たき)やう さつま芋を輪(わ)ぎりにしてよく〳〵ゆで煎(に)えたるときつきつぶし其中へ 米をいれて粥(かゆ)とするなり世俗する処を見るに《振り仮名:さいの目|════════》にきりまたは 輪切(════)のまゝにてたくゆゑ芋と米とべつ〳〵になりて.甚くひにくし此法 の如くするときはいもの甘味米に合して風味至てよし然れ共 甘藷(さつまいも)の 質(しつ)は至て粘稠(ねんちう)【「ねばり」左ルビ】にして里芋(さといも).薯蕷(やまのいも).番南瓜(たうなす).土芋(かしう)などゝ同物なれば人 身に益(えき)ある品にはあらざれ共今米にかてゝ食するはやむことをえざれば 也 左(さ)はあれ本草(ほんざう)には甘 平(へい)無毒(むどく)とありて米穀にかへて用ひ又海中の 人 寿(ことふき)おほきは五穀(ごこく)を食せずこれをくらふがゆゑ也とはあれどねばり 【注 「よろしかがず」「よろしからず」の誤記ヵ】 【虫損部は東京大学総合図書館 国文学研究資料館の『日ごとの心得』https://da.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/portal/en/assets/cf970409-291b-850e-5155-4c0591391105#?pos=24 を参照】