翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

日ごとの心得 - 翻刻

日ごとの心得 - ページ 22

ページ: 22

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【右丁】 つよきものは惣じて人身に害(がい)あること少からす既に上州 辺(へん)に癩病(らい  ).中気(ちゆうき). 脚気(かつけ).麻痺(まひ).等の病ひのおほきは全(まつた)く芋(いも)を常食するがゆゑ也とさる大医 の説なるがいとおもしろき考なり.今江戸にて子供に.さつまいもを たえずくはするは甚よろしからず.ことを解(げ)さゞるにいたりては.これは子供 には虫のくすりなどいひて.少し不食するか風ひきたるにもそばから すゝめてくはするやうなるは《振り仮名:苦々|にが〳〵》しきこと也.子供を丈夫にそだてんとお もはゞ.何にても芋類(いもるゐ)を一切あたへず.砂糖のいりたるあまみつよき菓子 を深く禁じて八九歳迄こゝろづくるときは疳疾のうれひなく.大丈夫に成長 するとこゝろえべし.これ親たるものゝ子をはごくむ第一のこゝろえなり○里 いも.山のいも.かしり.とうなす.いづれも其効のうを記せる書あまた あれども.みな益(えき)なき品也.常食とはすべからず飢きんにはぜひなき こと■【とヵ】思ふべし 【左丁】     ○年中貯へおきて飢(き)きんの節 憂(うれ)ひをたすくべき食物 予(あらかじめ)をしるす 蘿蔔(だいこん) 切ぼしとなしてたくはへおくべし平日は干物屋にあれ共きゝんのとき  は誰しもこゝろがくるゆゑすべてのものなしとしるべし夏になれば色赤くなり  臭気(くさみ)つく故天気には度々ほしてかこひおくべし[主治]胸をすかし咳をや  め痰をさり気を下し二便を利する常に食して大に効あり 蕪菁(かぶら) これも同じく切干となし又 菜(な)はひばとなしてたくはふべし  田舎にては菜干葉(なひば)とて蕪(かぶ)の菜(な)をほすなり大根ひばよりはその味ひ好(よ)し  [主治]食を消し熱をさり消渇を治し脾胃(ひゐ)を健(すこやか)にす 蕨(わらひ)  根を切てきり口へ灰(はい)をつけて一把づゝしかとたばねひばをほ  すやうに軒下(のき  )へかけてほしおくべし食せんとするときはゆでゝつかふに其  味ひ生(なま)におとらず少(すこし)こはし 茄子(なすび) 皮をむきてこぐちより三分位のあつさにきり日あたりにいだして 【[ ]は矩形で囲む】 【虫損部は東京大学総合図書館蔵本を参照し注記】