翻刻
《割書:嘉永|新板》増補(ぞうほ)書翰(しよかん)大成(たいせひ)《割書:大冊|全部一》 《割書:いつれの本屋にも御座候間|御 手寄(てより)にて御もとめ可被成候》
此(この)書(しよ)は前板(ぜんはん)書翰(しよかん)大成(たいせい)の増補(ぞうほ)にして四季(しき)の贈答(そうたふ)はいふに
及(およ)ばず諸(しよ)商売用(しやうばいよう)の掛引(かけひき)種々(いろ〳〵)入組(いりくみ)たる文章(ぶんしやう)に至(いた)るまで
御家(おいへ)の書筆(しよひつ)をえらひ之取懇に書著(かきあらは)し頭書(かしらがき)には日用(にちよう)
要字 万(よろつ)字尽(じつくし)証文(しようもん)手形(てかた)案文(あんうん)書状(しよじやう)并 ̄ニ箱目録等(はこもくろくたう)一切(いつさい)
纏物(もの)の心得(こゝろえ)諸礼(しよれい)図式(ずしき)吉書始(きつしよはじめ)七夕(たなばた)詩歌(しいか)仮名
和字の濫觴五性人名尽商売往来其外日
夜(や)有益の事どもを数多(あまた)あつめいつれも絵を
まじへて専重宝たらしむ実に諸家必用
随一の用文章なり 価五匁八分定
東山八景
みわたせはひかしやまのはるのけしきや
きをむはやしにふくあらしは山市の晴嵐と
うたかはれ河原おもてのまさこのいろは
江天の暮雪もかくやらむおもしろの花の
みやこやちしゆのさくらにしくはなし
賀茂川のなかれのすゑにゆくふねは遠浦
の帰帆かさえわたる清水寺のかねのこゑ