翻刻
道法り十里余も参候様に覚申候見物人多跡
先見えわかり不申候此所に一宿仕候大き成家にて御座候間
五六十軒も御座候奥行は相知れ不申候しかし板敷は
御座なく候不残皮を敷是に縁台を置夫拾数程
づゝ重て敷其上へ私共を置申候四方へ金らんの幕を
折置外之幕は唐木綿の幕を三重に折て色わ
鼡色に何やら赤き模様御座候此所にても団子と酒
を出し申候此酒は三年酒の如御座候色能甘く
こ□く御座候て中々被給不申候翌明五ツ時過し箱根
の猿駕籠の■成殊之外念入候品々乗りたるひと弐人
供廻り三十人程宛直しして参り候私共に何やら被申
候得共相知れ不申候所万国の絵図取出し大きさ三四間
程之是を見せ候故日本と書付有之候所へゆびお差
候得は其人手を広け高く上け其後ともの者に何やら
被申候得は皮にて拵候長持様成長さ五間程も有之候
者の中ゟ大まんぢうを三ツ出し私共にくれ被成候