翻刻
走り候様に覚申候日数多御座候兎角東え〳〵行
其内北に当り大島小島ともに五六ヶ所も相見え申候
日も御座候右五十五日目にとろ海汐の所へ吹
付られ最早舟もよとみ風も止(やす)み何共致
方無之御座候所其夜の明方に相成候得は朱ゟ赤く
相成日輪の大きさ富士山よりも大きく相見へ候海より
不残上り仕舞海と日輪之間余程はなれ人の
形も見へはかり候よふに相成候迄は殊之外手間取候
日本にて夜の七ツ時分と思ふ時最早日輪出かけ
にて御座候様に覚へ申候
一右之通り致居候内東風落してとろの
所も吹出され又南西の方へ吹流され候事凡そ四五
拾日程此間にては一日も島を見不申候天気能殊之
外あたゝかにてはだをぬきおり候日数多御座候
海中はまふり不申百五拾日程流れおり候中三日
雨ふり申候夫も半日づゝふり申候雲は折々出一日くもり