翻刻!料理本の世界

コレクション: コレクション 1

新編異国料理 - 翻刻

新編異国料理 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

煮立(にたて)和(やわ)らかに成たる時(とき)皮(かわ)を去(さ)り氷砂糖(こほりざたう)を入 随分(ずいぶん)あまき程入 分量(ぶんりやう)見(み)はからひなり ○杏酪(インロ)薬(くすり)に用ゆる杏仁(きやうにん)を熱(あつ)き湯(ゆ)に浸(ひた)し 柔(やわらか)に成たる時 乳鉢(にうはち)に入 能(よく)すり氷砂糖(こほりざたう)を入 随分(ずいぶん)あまき程入 分量(ぶんりやう)見(み)はからひなり ○鶏豆湯(キヒテ○ウタン)《割書:別名 芡実(ケンジ)|といふ》芡実(ケンジ)は池水(いけみづ)に生(しやう)じ 菱(ひし)のやうなるかたちの葉(は)にて根(ね)に丸(まる)き四五寸 位(ぐらい)の根(ね)あり此中(このなか)に種(たね)のやうに余計(よけい)ある物有 此方の鬼菱(おにひし)也製(せいし)方(かた)扁豆湯(ベンテ○ウタン)とおなじ【「テ○ウ」はトウでもドウでもない中国語のdouをテウの半濁音ととらえたものか】 ○雪粉糕(スイランカ○ウ)《割書:雪粉団(スイフンタン)|又 百菓糕(ベヒシカ○ウ)》糯米(もちごめ)粳(うるち)米 等分(とうぶん) にして水を少(すこ)しふりまぜ合(あは)せ米(こめ)篩(とをし)にて 蒸篭(せいろう)の内へふるひこみ粉(こ)の厚(あつ)さ二三分 にして蒸立(むしたて)よく蒸(むし)上(あが)りたるを折敷(をしき)やうの 物(もの)にうつし少しさめたる時(とき)上(うへ)に白砂糖(しろさたう)を一 面(めん) にふるひかけ其外(そのほか)○紅采(ホンスウ)《割書:梨子(なし)を薄(うす)くきり生(しやう)円(えん)寺(じ)|にて染(そめ)砂糖(さたう)につけ糸切(いときり)に》 《割書:したる|をいふ》○瓜子(クツアヅウ)《割書:西瓜(すいくは)の|核(たね)なり》○橙子(ヅヱンツウ)《割書:橙子 青(あお)きうちにとり|皮(かわ)を薄(うす)くへぎ砂糖》 《割書:漬(づけ)糸切(いとぎり)に|したるをいふ》右 三味(さんみ)を少(すこ)しづゝ上に置(おき)一寸四五分 角(かく)に切(きる)なり 【芡実はオニバスの実のこと。根を食べるような説明になっているが、花の多くが水中で閉鎖花(開かないで自家受粉する花)になるので、根と説明しているのではないか】 【杏酪は杏仁の粥のようなもので現在も知られた料理名。ペーストにしたあとさらに加熱したほうがいいかもしれない。】 【雪粉糕(スイランカ○ウ)の粉の読みは、ランではなくフンの彫り間違いと思われる。/百菓糕(ベヒシカ○ウ)の菓の読みもあやしい。/糕にカ○ウと仮名をふってあるのは中国語のgauがカウでもガウでもないので、カの半濁音として表現したものか。】 【生円寺:生臙脂の当て字。ラック虫(カイガラムシの一種)からとった赤い染料】