翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 14

ページ: 14

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【右丁】 ばかり十六人の者のこらず駕籠にて行過(ゆきすぐ)るに舟場(ふなば)より凡 卅町斗の間 見物(けんぶつの)人山のごとく別(べつし)て辻々(つじ〳〵)ハ押(をし)あい群集(くんしゆ) せりそれより王城の外郭(そとくるわ)より六町斗手前に着(つ)き則 此所を旅宿(りよしゆく)に被渡(わたされ)候所 甚(はなハ)だきれいに掃除(そうじ)いたし間口三 間斗奥行七八間にて二階(にかい)もあり裏(うら)も廣(ひろ)く殊(こと)に商人 町(まち) 故(ゆへ)賑成所(にきやかなるところ)なり官人(やくにん)衆より料理方(りやうりかた)を付られ給物(たべもの)夫々(それ〳〵) にしたゝめまづ此所にて十六人とも少しハ安堵(あんど)いたし其(その) 夜ハ心落着(こゝろをちつき)しにや皆々(みな〳〵)前後(ぜんご)もわきまへず打臥(うちふし)けり 其日より下官(げくわん)二人 小遣(こつかひ)一人 付添(つきそへ)あり翌(よく)廿一日に官人(やくにん)まい 【左丁】 られ追(をつ)て國王(こくわう)へ御 目見(めみ)へ致(いた)さすべきよし何角(なにか)不 自由(じゆう) なき樣(やう)とて鳥目(てふもく)五貫文白米弐俵國王より下さるゝ 趣(をもむき)又何にても下官人(したやくにん)へ無遠慮(ゑんりよくなく)用事申べく挨拶(あいさつ)いた し帰(かへ)られける《割書:此所にても未 詞(ことバ)通(つう)じ不申 問(と)ひ答(こた)へ文字にて相わかり申|也大概源三郎通達致候但し文字も忘れがたきこと多く》 《割書:有候所国元より舟中持参の本あり|是にて相わかり候本の事奥にくハし》舟頭(せんどう)清蔵をはしめ五六人 も西山(さいさん)へ漂着(ひやうちやく)まへより病気(ひやうき)すぐれすしだい〳〵に種満(しゆまん)の やうすにて日々 食事(しよくじ)も不勧(すゝまず)よほどたいせつに見へ候に つき下官人(したやくにん)を相頼(あいたのみ)上官(しやうくわん)へ願(ねがひ)もらひ服薬(ふくやく)致(いた)させたく書 付いたし候所一両日過て國王よりのこらす目見へ仰(をゝ)せ