翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 23

ページ: 23

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【右丁】 野菜(やさい)𩵋肉(ぎよにく)何(なに)にても自由(じゆふ)なれバ□い〳〵ハ赤鱏(あかゑい)川魚(かはうを) 青物(あをもの)るいを食(しよく)し獣(けだもの)るいハ随分(ずいぶん)給(たべ)申さず折々(おり〳〵)近所(きんじよ)へ 招かれそ候 節(せつ)ハよんどころなく食(しよく)すといへども醤油(しやうゆ)一 切(せつ)な き国にて何にてものこらず塩煑(しほに)になし其中へ牛(うし)の油 豕(ぶた)の油を入れ焼(たき)候よへはじめの程(ほど)ハ皆々(みな〳〵)くいかね月日おし うつるにしたがい次第(しだい)に美味(びみ)と成此ことにもなれるといへ ども只(たゞ)故郷(こきやう)なつかしく健(すこやか)成(なる)からだにても水土(すいど)気候(きこう)の 違(ちが)ひにや骨(ほね)も寛(ゆるみ)候 様(やうに)おもハれ年(ねん)中 蚊帳(かてう)を釣(つる)事(こと) など極暑(ごくしよ)にもならバ凌(しの)ぎかね候やと申あへり尤此國 【左丁】 暖国(だんこく)ゆへ家(いへ)ごとに畳(たゝみ)とてハなく皆(みな)木のすのこにて此方□ も旅宿(りよしゆく)ハうわ敷(しき)引(ひき)あり中にハ以下(いか)ハ上敷(うハしき)も不引(ひかず)暮(くら) すなり雨ふりなどもはだしにて歩行(ほこう)するもの多し 雨(あめ)は一月に十四五日ヅヽも降(ふる)といへども永(なが)雨なく夕立(ゆふだち)斗 なり傘(からかさ)ハ青(あを)き紙(かみ)にて張(はり)椰(や)子の油を引 骨(ほね)ハ細(ほそ)き竹に てさして日本に替(かハ)る事なし強候紙なにこといふ紙なるにや きかざる事 残念(さんねん)也下駄ハあれど木にてやげんの形(かたち)に似(に) たるものゆへやはり沓(くつ)のごとし国人(くにひと)大方(をゝかた)ハ照降(てりふり)ともはだし 多(をゝ)し十四人の者(もの)ハわらをもらひさ□りを作(つく)りはきあ かっこ