← 前のページ
ページ 23 / 104
次のページ →
翻刻
【右丁】
野菜(やさい)𩵋肉(ぎよにく)何(なに)にても自由(じゆふ)なれバ□い〳〵ハ赤鱏(あかゑい)川魚(かはうを)
青物(あをもの)るいを食(しよく)し獣(けだもの)るいハ随分(ずいぶん)給(たべ)申さず折々(おり〳〵)近所(きんじよ)へ
招かれそ候 節(せつ)ハよんどころなく食(しよく)すといへども醤油(しやうゆ)一 切(せつ)な
き国にて何にてものこらず塩煑(しほに)になし其中へ牛(うし)の油
豕(ぶた)の油を入れ焼(たき)候よへはじめの程(ほど)ハ皆々(みな〳〵)くいかね月日おし
うつるにしたがい次第(しだい)に美味(びみ)と成此ことにもなれるといへ
ども只(たゞ)故郷(こきやう)なつかしく健(すこやか)成(なる)からだにても水土(すいど)気候(きこう)の
違(ちが)ひにや骨(ほね)も寛(ゆるみ)候 様(やうに)おもハれ年(ねん)中 蚊帳(かてう)を釣(つる)事(こと)
など極暑(ごくしよ)にもならバ凌(しの)ぎかね候やと申あへり尤此國
【左丁】
暖国(だんこく)ゆへ家(いへ)ごとに畳(たゝみ)とてハなく皆(みな)木のすのこにて此方□
も旅宿(りよしゆく)ハうわ敷(しき)引(ひき)あり中にハ以下(いか)ハ上敷(うハしき)も不引(ひかず)暮(くら)
すなり雨ふりなどもはだしにて歩行(ほこう)するもの多し
雨(あめ)は一月に十四五日ヅヽも降(ふる)といへども永(なが)雨なく夕立(ゆふだち)斗
なり傘(からかさ)ハ青(あを)き紙(かみ)にて張(はり)椰(や)子の油を引 骨(ほね)ハ細(ほそ)き竹に
てさして日本に替(かハ)る事なし強候紙なにこといふ紙なるにや
きかざる事 残念(さんねん)也下駄ハあれど木にてやげんの形(かたち)に似(に)
たるものゆへやはり沓(くつ)のごとし国人(くにひと)大方(をゝかた)ハ照降(てりふり)ともはだし
多(をゝ)し十四人の者(もの)ハわらをもらひさ□りを作(つく)りはきあ
かっこ