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翻刻
【右丁】
此 銭(せに)安南國(あんなんこく)通用(つうよう)銭なり
壱匁に六拾文つかいにて一トつなぎ
三匁丁百八拾文を一本と云
十本三拾目也百文つなきハなし《割書:但し十六匁銭の|相塲(そうば)に當(あた)る也》
【金銭の図】
金銭の大きさかくのごとし
但し表裏(おもてうら)とも模様(もやふ)なし地(ぢ)がねうすし
右の金銀(きん〴〵)を懐(ふところ)にして何(なに)にても調(とゝのへ)候せ
つ賣主(うりぬし)秤(はかり)を出(いだ)せバかね切(きり)鋏(はさみ)にてよき
かげんに切秤にかけ分量(ぶんりやう)の過不足(くはふそく)ハ
切まし切とり通用(つうよう)なすなり
【左丁】
【貨幣図 景興通寶】
安南國の年号(ねんこう)同文字(どふもじ)故(ゆへ)に爰(こゝ)に記(しる)す
此銭 越国(ゑつこく)の銭(せに)にて太平(たいへい)元豊(げんほう)等(とふ)の
此銭に似(に)たるを景興手(けいこうて)と称(せう)するなり
安南國の太祖(たいそ)順天(しゆんてん)元寶(げんほう)の銭 始(はしめ)て鑄之(これをいる)の事(こと)考(かんが)へ
みれバ此国 開(ひら)けし事も 日本百二代 應永(わうゑい)年中
の事(こと)と相見(あいみ)へ候