翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 39

ページ: 39

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【右丁】 へハはいり様々(さま〳〵)のものをもらひ卅日斗にハ彼是(かれこれ)近附(ちかづき)□ 多(をゝ)く殊(こと)の外(ほか)心安(こゝろやす)くなりけり別(べつし)て酒屋(さかや)より芝居行(しばゐゆき) 誘(さそ)ハれ八ツ過(すぎ)より見物(けんぶつ)せしに何の藝(げい)やら誠(まこと)に唐人(とうじん)の 寝言(ねこと)のたとへにて一向(いつこう)わからず只(たゝ)顔(かほ)をつくりしもの舞(ぶ) 臺(たい)に四五人ほどヅヽ出(いで)候てせりふことありといへどさして 面白(をもしろ)きこともなく見物(けんぶつ)ハ大勢(をゝせい)込合(こみあい)もや〳〵と只(たゝ)此方(このほう)と もを我(われ)一(いちと)詠(なが)めける此日 至(いたつ)て暖気(だんき)つよく中にハ頭痛(づつう)に 絶(たへ)がたきものもあり芝居(しばゐ)のはてるを待(まち)宿所(しゆくしよ)へ帰(かへ)りけり 《割書:但し帰帆(きはん)のせつ古【左?】布と言(いふ)所(ところ)にて芝居(しばゐ)|見物に行申候 格別(かくへつ)也 巻(まき)の末(すへ)にあり》斯(かく)て日本人の来(きた)るハはじ 【左丁】 めなりとて種々(しゆ〳〵)の物(もの)を振舞(ふるまひ)し内にも素麺(そうめん)にはこまりし なりうどんのごとき太(ふと)きそうめんを塩煑(しほに)になしかけ汁(しる)ハ ぶたの油(あぶら)をかけしものゆへ胸(むね)あしく思(をも)ひけれども国人(くにひと)ハ沢(たく) 山(さん)に給(たべ)候 故(ゆへ)男気(おとこぎ)をいだし三四 膳(ぜん)ヅヽも喰(くひ)候所 扠々(さて〳〵)心よか らぬものなり其後も毎日(まいにち)〳〵替(かわ)り〴〵に気儘(きまゝ)に歩行(あるき)いろ〳〵 珍敷(めつらしき)ことどもにあへり後(のち)の巻(くハん)にくわしく記(しる)す      禽獣虫 此地(このち)町々(まち〳〵)に獣(けだもの)多(をゝ)し往来(おふらい)にけたもの行當(ゆきあた)るごとくなり