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【右丁】
あり安南国にハ廟(びやう)迚(とて)ハなけれども外(ほか)に神(かみ)と敬(うやま)ふ社(やしろ)も
なく家々(いへ〳〵)に關帝(くわんてい)の像(ぞう)をこしらへ掛物(かけもの)になし神(かみ)の棚(たな)
にまつり前(まへ)にハみすをかけ日々(にち〳〵)備(そな)へものを上(あ)け是(これ)を拝(はい)
し冨貴(ふうき)延命(ゑんめい)子孫長久(しそんてうきう)を祈(いの)る事(こと)又 小児(せうに)にハ小守(こまもり)
となし首(くび)にかけさせ災難(さいなん)のまぬかれんとこぞつて是(これ)
を信仰(しんこう)せり又日本の山伏(やまぶし)の如(ごと)きものあり是ハ祈禱者(きとうじや)
と見得(みへ)て其人(そのひと)来(きた)り候日ハ朝(あさ)より種々(しゆ〳〵)の備(そな)へものこし
らへ清(きよ)き卓机(つくへ)の上(うへ)にかさり置(をき)相待(あいまち)候内 無程(ほどなく)来りて
神(かみ)の棚(たな)を三拝(さんはい)し又ハ上(あか)り口(くち)にて釜(かま)どを拜(をか)み暫(しはらく)祈念(きねん)
【左丁】
に時(とき)もうつり唱(とな)へ事も濟(すめ)ハその後(のち)酒飯(しゆはん)を出(いだ)し饗應(もてなす)こ
と我国の荒神祓(かうじんばらい)に似(に)たるものにて異国(いこく)本朝(ほんてう)神(かみ)を敬(うやま)ふ
ことさしてかわりしこともなし
關帝之(くわんていの) 小児(こども)の守(まもり)に
小像之(こまもりの)寫(うつし) 【関帝小像図】 つかなり