翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 65

ページ: 65

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【右丁】 となりしも持主(もちぬし)清蔵此地にて相果(あいはて)し故(ゆへ)同じ国に 納(おさま)りしにやとふしぎの事におもひけり残(のこり)壱冊 大々(だい〳〵)節(せつ) 用(よう)の方ハ清朝(しんてう)の左甫(さほ)まで持来(もちきた)りしに是(これ)も此所にて官(やく) 人(にん)所望(しよもう)いたされかの国の寶(たから)となりしなり誠(まこと)に文字(もんじ)の 徳(とく)四海(しかい)を照(てら)し外國(くわいこく)までも通用(つうよう)なすと難有(ありがたき)ことども也    暇乞 星(ほし)うつり月(つき)かわり光陰(かういん)石火(せきくハ)のたとへのごとく此国へ来(きた)りし も早(はや)半(はん)としの月日(つきひ)立(たち)四月八日ハ佛生日(ふつせうにち)とて国中(こくちう)の寺(てら) 【左丁】 々にて卯(う)の花(はな)の會式(ゑしき)あり四月 下旬(げしゆん)にもなりしところ 国王より旅宿(りよしゆく)に在(ある)所(ところ)の十人のもの不残(のこらず)登城(とじやう)致(いた)すべき とのことゆへにそれ〳〵に仕度(したく)なし廿五日 未明(みめい)より殿中(てんちう)へ 出(いで)候 所(ところ)以前(いぜん)にかわらず國王 出御(しゆつぎよ)あつて通辞(つうじ)をもつて仰(おゝせ) 渡(わた)さるゝハ漂着(ひやうちやく)已来(いらい)北風つよく帰帆(きはん)の時節(じせつ)無所此程よ り追々(をい〳〵)南風になり舩の通路(つうろ)も自由(じゆふ)なるべし日本へ廻(くハい) 舩(せん)の用意(ようい)をなし送(おく)り届(とゞ)け度(たく)おもへども去四月より西 山国に征伐(せいばつ)に事繁(ことしげ)く国人 過半(くハはん)彼地(かのち)にわたり此節(このせつ)といへ ど日々(にち〳〵)軍舩(いくさふね)出舟(しゆつせん)なせバ国中の人 不足(ふそく)にて遠(とを)き日本