翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 82

ページ: 82

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【右丁】 も旅宿(りよしゆく)より見得(みへ)ず只(たゞ)五重の塔(とう)斗(はかり)は三里五里 脇(わき)より もよく見得(みへ)また二日 置(をき)三日 毎(ごと)に上官人(おもやくにん)被参候せつは 付添(つきそひ)官人(やくにん)門口(かどぐち)まで立出(たちいで)双方(そうほう)立寄(たちよる)と互(たがひ)に足(あし)をもじ らし手(て)を組(くみ)かわせしは禮儀(れいぎ)と相見得(あいみへ)扠々(さて〳〵)笑止(おかし)きこと ともなり其後(そのゝち)内へ案内(あんない)に連(つ)れ上官人(おもやくにん)入来れば皆々(みな〳〵)辞(じ) 義(ぎ)をなし無程(ほとなく)帰(かへ)られ候 時(とき)跡(あと)より詠(なが)むれば官人(やくにん)の先(さき)へ 四五人斗 両側(りやうかわ)に棒(ぼう)を引(ひき)ワア〳〵と云(い)へば大道(だいどう)行通(ゆきか)ふ人(ひと) 片脇(かたわき)へよけしは定(さだめ)てかたよれと云(いふ)ことにやとすいり推量(すいりやう)せ り此国にも卅日斗 逗留(とうりう)の内町内へ彼是(かれこれ)はなしに行(ゆき) 【左丁】 しがいつとなく心安(こゝろやす)き方(かた)出来(でき)立(たち)かわり入替(いりかわ)り旅宿(りよしゆく) には付添(つきそひ)人をのこし置(をき)毎日(まいにち)仕度(したく)すめば又其 時刻(じこく)迄(まで) 遊(あそ)びあるきけり此国 至(いたり)て家立(やたち)よく二階(にかい)もあれど 安南国と同(おな)じことにて男女こしかけに寄(より)食物(しよくもつ)酒(さけ) 盛(もり)用㕝(よふじ)も調(とゝの)へ未(いまだ)暑(あつさ)もさりがたき時節(じせつ)故 晝寝(ひるね)抔(など) 致(いた)し居(ゐ)る躰(てい)を見(み)れば頭(かしら)に枕(まくら)をなし足先(あしさき)にも枕(まくら)よ り大(おゝ)きなる臺(だい)をこしらへ上(うへ)にあしをのせ臥事(ふすこと)男子女 子もかはらず夜分(やぶん)も右のごとくなすよし国風はさて〳〵 替(かわ)りしことあるものなり床(ゆか)は板間(いたま)にうすべりを敷(しき)柱(はしら)の際(きは)は