翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 85

ページ: 85

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【右丁】 を持(もち)歩行(あゆみ)ゆけば引續(ひつつゞき)て大(おゝ)き成 棺(くわん)の上(うつ)へ生(いき)たる鶏(にはとり)を竹 に■(はゝぐ)み乗(の)せ追々(おい〳〵)供(とも)人有て町内を過(すき)行ける故《割書:右棺は|安南国》 《割書:と同じ臥(ふし)ながらにして納(おさ)め木(き)の厚(あつ)さ|二三寸ばかりも在さして替りなし》町内 限(かき)りの銘々(めい〳〵)なれば旅(りよ) 宿(しゆく)へ戻(もど)り付添人一 生(いき)たる鶏(にはとり)をのせ行(ゆく)事又は火葬(くわそう)なる や但(たゞ)し土葬(どそう)なるや尋(たつね)ければさればにても土葬(どそう)火葬(くわそう) にてもなし是(これ)より城下(じやうか)を離(はな)れ一里半に墓所(はかしよ)あり 其 土地(とち)中(なか)五町斗一方口にて四方に高塀(たかへい)あり此内に 墓所(はかしよ)蔵(くら)建續(たてつゞ)き一ケ所〳〵蔵(くら)の戸平に持主(もちぬし)の所(ところ)名(な) 前(まへ)を彫記(ほりしる)し平生(へいせい)は錠(でう)をおろし死人(しにん)あれは朝(あさ)より掃(そう) 【左丁】 除(じ)をなし戸前を開(ひら)き置(をき)棺(くわん)此所(このところ)へ至(いた)れば蔵(くら)へかき いれ下地 積(つむ)ある所の棺(くわん)の上(うへ)へ重(かさ)ね年月(ねんがつ)戒名(かいみやう)をしるし 其儘(そのまゝ)跡(あと)をさし已前(いぜん)のごとく錠(でう)をおろし送(をくり)の人はみ な〳〵帰(かへ)るなり藏(くら)の大小 二階(にかい)なしにて二間四面三間 四面または身躰(しんだい)の分限(ぶんげん)多人數(たにんじやう)の家(いへ)は藏(くら)も十間四面 或(あるひ)は十五間四面も在(あり)尤(もつとも)東城外(とうじやうくわい)にかよふの墓所藏(はかしよぐら)十五 六ケ所もありされども此藏の近所(きんじよ)は年中(ねんぢう)臭気(しゆき)甚(はなは)だし く只(たゞ)藏(くら)の内にて棺(くわん)の儘(まゝ)朽果(くちはた)し鶏(にはとり)も同敷(おなしく)蔵の内にの こし来れば早速(さつそく)死(し)するなり至(いたり)て貧窮(ひんきう)なるものは棺(くわん)