翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 90

ページ: 90

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【右丁】 いざりちんばのかたわもの追々(をひ〳〵)に寄(より)こぞりいさかひなど せし躰(てい)は何所(いづく)もかわらぬ不埒者(ふらちもの)の成果(なりはて)とおもひけり 家々(いへ〳〵)より捨(すつ)べき品(しな)を下女(げしよ)下男(げなん)に持(もた)せ辻々(つぢ〳〵)へ遣(つか)はし候故 町中へははいらず只(たゝ)あまり物(もの)もち来るを相待(あいまつ)斗(ばかり)なり 又 旅宿(りよしゆく)の裏通(うらとふ)り流(なか)れ清(きよ)き小川有 或時(あるとき)晝過(ひるすぎ)に 裏(うら)へ出(いで)川端(かわばた)へ行(ゆき)しに向(むか)ふ端(ばた)に年の比(ころ)廿四五才斗の 女 髪(かみ)を乱(みた)し何やら訳(わけ)も無き事を匈訇(のゝしり)暫(しばらく)ありて 裾(すそ)高(たか)くからげつか〳〵と川中へはいり頭(かしら)より水を幾度(いくたひ) もかゝり此方を向(む)きにこ〳〵と笑(わら)ひ手(て)を合(あは)せ拝事(おかむこと)扠は 【左丁】 狂気(きやうふ)の人にこそとあきるゝ内川より上(あか)りしづ〳〵と帰(かへ)り しはつき詰(つめ)し女気(おんなき)の斯(かく)なれるにやと連(つれ)のものへも語(かたり) けり又 平生(へいせい)大道(たいとう)の軒下(のきした)にて博奕(ばくちき)をなすこと一町 内に二三ケ所ヅヽ有 只(たゝ)何方(いづかた)の塀(へい)ぎわにても板(いた)に書(かき) し物(もの)を持(もち)両人すわり外(ほか)に壱人 風呂敷(ふろしき)かたげし男(をとこ) 後(うしろ)に扣(ひか)へ居(ゐ)る斯(かく)場取(はどり)をなせば行通(ゆきかよ)ふ人むら〳〵と立(たち) 留(とま)り板(いた)の上(うへ)へおもひ〳〵に銭(せに)を置(をき)時(とき)已前(いせん)の両人三ツ の賽(さい)を投(なげ)ほうり勝負(かちまけ)をなし此事(このこと)次第(したい)に長(ちやう)ずれば 銭(ぜに)をなくせしものへは最前(さいぜん)の風呂敷(ふろしき)かたげし男 取(とり)□へ