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コレクション: 漂流記コレクション

南漂記 - 翻刻

南漂記 - ページ 98

ページ: 98

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【右丁】 一通りに指居(さしゐ)ては日本人 心遣(こゝろつかひ)可致 案心(あんしん)させんか為(ため)斯(かく)な すことゝ聞(きゝ)扨々(さて〳〵)律儀(りちぎ)なる人々と一笑(いつせう)なしにけり《割書:但し□|人より何》 《割書:にても申渡しの節は役義なれはかよふのことは|なし此人々は只咄しに来ること故かくの通りなり》此地三十日ばかり逗(とう) 留(りう)中 湊脇(みなとわき)の寺内(しない)に芝居(しはゐ)ありて八度まで見物(けんぶつ)に至(いた)り其 度 毎(こと)に皆々(みな〳〵)九人とも駕籠(かご)にて行尤 官人(やくにん)両三人ツヽ同道 せり彼是(かれこれ)霜月六日まて此地にありて翌(よく)七日 元(もと)の廣東(かんとう)舩に 乗(のり)護送官(ごそうかん)通辞(つうじ)其外下官迄 打(うち)そろひ海上三四十日に再(ふたゝひ) ひ日本 肥前(ひぜん)の国へ入津なしけるは誠(まこと)に我国(わかくに)の余風(よふう)外国(くわいこく)迄 慕(したひ)尊(たつとし)無事(ぶし)に送(をく)り帰(かへ)せしは偏(ひとへ)にし神國の著明(いちしるき)こと言語(けんご)にのへ 【左丁】 かたくと咄(はな)しの儘(まゝ)書(かき)取しなり     芝居 湊口(みなとくち)より一町斗北の寺内(しない)に芝居(しはゐ)あり尤 建方(たてかた)は寺を小 屋の中へ取(とり)こめ外構(そとがまへ)に板(いた)がこいをなし木戸(きと)ありて内 三方に少(すこ)し高く桟敷(さんじき)をかけ舞臺(ふたい)は本堂(ほんどう)より向(むかふ)へ 差出(さしいだ)し楽(がく)屋は本堂の脇(わき)なり常芝居(じやうしばゐ)はなく卅日ヅヽ 寺々(てら〳〵)にて勤(つとむ)るよし此方ども芝居へ行ばいつも南(みなみ)の方に桟(さん) 敷(じき)三間斗 別(べつ)にへきりあり其前に幅(はゞ)壱尺長サ弐間もある